電車に乗車していると、ちょっと前までは新聞や漫画などで通勤時間を過ごしている人がほとんどでした。今は朝に新聞を読んでいる人がちょっといるくらいで、ほとんどの人がスマートフォンに没頭しています。
テキスト画像から動画、ライブ配信さらにショート動画という新しい形態で人気を博した現在、コンテンツ消費時代にはさまざまなイノベーションが試みられていました。
象徴的と言えるのはTiktokでしょう。
Tiktokというアプリは「あるアプリの国際版であり」「Tiktokの完全体」と呼ばれているのは中国のみでダウンロードできる抖音(ドウイン/Douyin)というアプリとなります。
今回はTiktok中国版ドウイン/Douyinについて解説させていただきます。
抖音ドウイン/DouyinとTiktokの違い
抖音(ドウイン/Douyin 以下ドウイン)はバイトダンス社(Bytedance社)が2016年9月中国でリリースしたショート動画アプリです。またTiktokはおおよそ一年後の2017年5月に中国以外の地域でリリースされました。
2022年デイリーアクティブユーザー数は約8億人を突破し、現在中国で最もド成長しているアプリといわれています。
Tiktokを使った人ならわかると思いますが、他人が製作した「コンテンツ」を観て楽しい時間を過ごすのがTiktokの醍醐味ですが、その点はドウインとTiktokには大した差はありません。
グレートファイアウォールという中国が運用するネットワークが存在しているので、アプリの海外版や国際版などに手を出せない状況を作り出しています。それによって中国に住んでいれば、Tiktokより馴染みのあるドウインしか閲覧できない状況というのが一つの違いです。
さらにTiktokより「eコマース」という属性はドウインが強く、Tiktokには「ショップ機能」や「カート機能」がないため、中国ECにおいて特にインフルエンサー経由の商品拡散による売上UPの施策を重視せざるを得ない。というのがもう一つ大きな違いです。
ドウインが中国で流行っている理由
以下のいくつかの理由で中国だけではなく、世界規模でショート動画ブームの波に乗って、中国でも展開して順調に船出することができました。
また、上記の通り、ドウインならではの機能が存在しているため、若者が中心で様々な世代が楽しめる人気なアプリとなりました。
1.長さとボリュームより短さとクオリティを重視
冒頭でも言いましたが、コンテンツは大量に消費されている今の時代ですが、どれだけ短くても伝わる、さらに面白みを感じさせるのがポイントになりました。
以下の画像では、ショート動画サービスの利用ユーザーの推移です。
参照:CNNIC前瞻产业研究院より弊社翻訳・修正
2.良質なコンテンツの引き換えにお金がもらえる仕組み
UGCが中核であるドウインの初期段階では、クリエイターに刺激を与えていっぱい動画を制作してもらえるため、動画のエンゲージメントなどを条件にして様々な奨励プログラムを用意していました。
ネット稼ぎを中心でやっていた人が参入してしまったため、バイトダンスはお金をばらまくと同時に大量のコンテンツを作る製作者および視聴者を獲得できました。
3.ECとのマッチング度合いが高い
Tmall(天猫)/淘宝という中国No.1オンラインショッピングモールと連携することによって、アマゾンのアフィリエイトサービスのような展開をしてきたドウインですが、商品の使い方、紹介動画を作ってレビューコンテンツを提供している動画制作者が大勢いました。
またライブコマース市場は中国で盛んになったことで、ドウインライブコマースを楽しむユーザーも一気に増えました。
EC事業を行っている事業者がドウインを運用するきっかけとなりました。
Douyinでマーケする意味があるの?
若いZ世代にリーチできるというのが大きな魅力です。
中国は若い世代の活発な経済活動によって支えられているという特徴がありまして、中国Z世代に対するアプローチが必要不可欠だと思います。
また、ネットの利用時間の割合からドウインなどのショート動画アプリに振り分けた時間は110分間/1日ということになりますので、ほとんど中国消費者の時間を奪うほど重要度が高いアプリになっていると言えましょう。
ドウインを使って中国マーケティングするなら、理解しておくポイント
ドウインの運用がやっぱり必要だなと思われるかもしれませんが、いざスタートしたところで、再生数は100回以内に留まって停滞してしまい、集客効果を疑う方は多くいらっしゃいます。
Youtubeのようなコンテンツを量産していけば、いつか開花するから、長時間の運用が必要なのではという考え方は実はドウインには通用しません。
コンテンツデリバリーアルゴリズムを理解しておく
ドウインには数百万の製作者が存在し、ものすごいコンテンツ量が毎日発信されている中ですべてのコンテンツをすべてのユーザーに届けるわけがありません。
何かしらのルールを沿って配信がプログラムで制御しています。
そのルールはコンテンツデリバリーアルゴリズムです。
コンテンツデリバリーアルゴリズムに準拠した動画を作成できてしまえば、バズる可能性がグっと上がります。
ドウインは、作られた動画コンテンツをまず一部の人(約200~500人)に届く仕様になっていて、その人達の評価つまりいいね、コメント、シェア、再生率などの指標いわゆるエンゲージによって、さらに多くの人に推薦していくのかプログラムで判断します。
コンテンツ質よりエンゲージUPを優先
もちろん良いコンテンツであればあるほど、エンゲージされやすいというのも事実ですが、
エンゲージUPにつながるギミックとノウハウそのものがコンテンツより重要なわけです。
たとえば、最も典型的な部分というと、再生率です。
ドウインの再生率に関する指標は大きく分けると「完全再生率」と「5秒再生率」があります。
「完全再生率」というのは動画が最後まで見た割合ということであり、100人が動画を見たとして、そのうち50人が最後まで視聴したということであれば、完全再生率は50%ということになります。
「5秒再生率」は再生開始から5秒間を経過して継続再生した割合のことです。
動画を観る時に、スマートフォン画面を指で下から上になぞって(スワイプ)、目に映る一瞬サムネが表示されます。「5秒再生率」を高めるために、その瞬間にどういう動画かすぐわかるように、また興味を持たせる工夫をしていかねばならないということです。
最初の5秒はすべて決まるというほど、ショート動画プロの方なら、どのようなシナリオでも一番力を入れるところです。
Tiktok中国版ドウイン/douyinはどのようなアプリなのかある程度お分かりいただけたのでしょうか?
現在最もトレンドであるドウインはまだまだ何年先にも続くと予測されていて、ショート動画という「情報の濃縮力」に基づくマーケティング手段が今後中国マーケティングには需要の高いスキルになるでしょう。
即戦力の製作者に動画を運用してもらいたい
1からスタートして、長い年月にかけて社内でドウインの動画制作者を育てることはいいですが、育てるための費用と時間、そしてせっかく育ててあげた挙句、独立してしまうリスクも伴います。
既に運用の経験を持っているプロの製作者にお願いしたほうが逆に手早くドウインの展開が順調に行うことができるでしょう。
多くのフォロワーと成功経験を持つ中国KOLなら、即戦力持ちの製作者であることは判断しています。
2023年に向けて中国KOLと組んでドウイン動画の運用代行をご利用いただけるサービスを提供させていただいております。
どういうKOLなのかご紹介しますので、気になる方はぜひ一度お問合せください。