21世紀に入ってから最も急速に成長している国のひとつである中国では、インターネットの初期から昨今に至るまでここまで形態が変化した国は唯一かもしれません。
多くの新しいインターネットビジネスモデルが、かつてのシェアサイクルサービスのように一夜にして中国で大ヒットする可能性があります。
それは中国政府の政策に伴うものであり、世界と密接に繋がらず隔離された壁の中で独自の文化を構築したようなイメージになります。
中国のインターネットの歴史や現状、中国のインターネット消費者の習慣を理解することは、中国市場に参入するというテーマから外せません。
本記事では、2021年現在の中国のインターネット環境から見えてきた、さまざまな傾向や状況を簡潔にまとめ、これから中国市場に参入しようとしている、あるいは現在参入している日本の事業者の皆さんの参考になればと存じます。
情報サイロ化に向かっている
サイロとは家畜の飼料、米や麦などの農産物などを個別に貯蔵しておく大きい容器あるいは倉庫のことです。
転じて情報サイロ化は、孤立した管理システムで関連するまたは関連すべき他のシステムとの相互運用ができない状態により、情報は十分に共有されず隔絶される状態になりつつあることを意味しています。
中国のインターネット世界に当てはめると、アプリとビッグデータの運用になります。
そこで起こった問題としてこのまま進むと今後中国ECでの集客がどんどん難しくなるという結論に至ります。
なぜか?
デバイスの占有率の奪い合いによってユーザーを獲得した企業、自社のアプリばかりに依存してほしいという願望が強まったあげく、いつのまにかアプリ間の競争と化した世界になってしまいました。
それは島と島のように情報が一切分断され、風通しの悪い状態になりつつありました。
中国は自社ECサイトの希少状態、EC目的で検索エンジンを使う人が年々と少なっていく数値がでているので、それが証拠です。
情報サイロ化によってアプリがインターネット上の流入を大半占めている状況になりました。
アプリに依存した中国ECマーケティングについて詳しく記載した記事も合わせてご覧ください。
海外のインターネット世界と異なって中国はアプリの位置づけにおける重要さを予め理解し、従来のSEOなどではなく、複数ある他社の「アプリ」を土台にしたEC集客を念頭に入れるべきではないかと考えています。
ECに参入する大ブーム
中国企業は基本的に社員の副業を制限したりしていません。
ほぼ誰でも副業がOKである比較的に楽な仕事環境が用意されています。本業の収入が足りなく副業でバンバン稼いでいる人たちも結構います。
副業に対して中国はまた世界と違って独自のルートを歩んできました。
それはKOLです。
実質KOL=売れるインフルエンサーのことです。
ある分野に対して知見を持ってその発言と行動によって視聴者が購買活動を起こし売上を立ててくれる人達ですので、メーカーに重宝されていました。
Youtuberのように協力してもらったり、テレビショッピングのようにライブコマースで商品を紹介してくれたりなど様々なコラボ方が存在しています。
2020年に入ってから、予算の余裕あればもはやKOL+ECモールサイトだけで売れてしまうケースもあったので、KOLを雇えばなんでも売れちゃうような錯覚に陥り、KOLへの盲信やKOLになろうとしている人たちが増加していました。
その勢いに乗ってもともとECと無縁だった、KOLが良く使うアプリもEC機能をつけたり、アフィリエイト用商品を提供する広告主に出品してもらったりにして、ASP(アフィリエイトサービスプロバイダー)と化したように見受けられます。

少なくともアフィリエイターになろうとするハードルがその施策で一気に下がり、「副業ならECアフィリエイター」が主流になりつつあるほどでした。
事業者にとっては予算問題で一段落とした戦略としてアフィリエイターを活用したEC展開を検討しても良いと思われます。
ただ、前述の「情報サイロ化」によってそういったアプリ数も複数存在している状態なので、それを活用するのにそれなりに膨大なコストや苦労がかかるのが間違いありません。
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