MENU
マーケティング

Tiktokがモール型ECへ変身?6億DAUを抱えるバイトダンスの次なる挑戦とは

Tiktokの動画コンテンツを楽しんでいますか?
Tiktokは一夜にして中国全土に席巻し、エンターテインメントアプリのジャンルにおいて王者として君臨しました。

わずか1年間をかけて億以上のユーザーを獲得し、2021年10月の今、1日あたりのアクティブユーザー約6億ほどあがってきています。
昨今UGC戦略で多くのコンテンツ提供者と視聴者の獲得に成功し、オンラインビジネス主戦場であるEコマースについに駆け走った様子が見られました。

Tiktokを利用した越境ECモデルはこれからどうなるかも多くの日本事業者さんが気になることでしょう。
今回は世界中の注目を浴びるTiktokについてお話をしていきたいと思います。

Tiktokとは

TikTok(ティックトック)は2016年バイトダンス(ByteDance)社が開発したモバイル端末向けショート動画配信アプリです。
中国本土版と国際版があり、中国本土版は「抖音(ドウイン)」と呼ばれ、アプリ機能や規制ポリシーは若干国際版と異なります。


以下すべて「抖音(ドウイン)」に統一して述べていきます。

Eコマースにおいて抖音(ドウイン)の実績

ここ数ヶ月バイトダンス社では、一連の役員変更、越境ECプラットフォームや物流企業に対する投資戦略の調整、大規模な採用活動を開始したなど様々な動きがありました。

バイトダンス社の公式サイトにも掲載されていますが、抖音(ドウイン)アプリのアーキテクチャ設計、パフォーマンスの最適化、最先端技術の探求と応用など多彩な人材を募集している様子が見られます。

また、抖音(ドウイン)アプリにおいて、「抖音ミニショップ」が「抖音モール」に改称され、そのデザインスタイルがアリババや京東の総合モールに偏ったデザインスタイルに一新しており、スポーツ、婦人服、デジタル製品など数十のジャンルに分けられていることを発見しました。

ドウインミニショップ

抖音(ドウイン)の2020年の年間GMV(商品総売上高)は2019年の3倍以上、計5,000億元を超えていますが、そのうち、1,000億元以上は「抖音ミニショップ」を経由したものであり、残りの3,000億元はライブコマースに通じて京東モールやタオバオなどのサードパーティのプラットフォームに遷移して得られた収益であったものです。

Eコマース業界の定番マーケティングツールとしか世間に認識されていないTiktokはEC市場を参入するからには、そのイメージを覆す必要があるでしょう。

ライブコマースの特徴と限界

「コンテンツはすべてだ」と最も体現しているライブコマースは、差別化を図って従来のモール型ECと対比しています。前者はライバーの個人的な影響力と生放送会場でしか楽しめない雰囲気に依存しています。

ユーザーが購入する前にコンテンツを閲覧する過程で、たとえ消費計画に入っていないアイテムがあったとしても、「これは良さそうだ、かなり使えるはずだ」と突然感じることがほとんどであるため、購入の自発性とサプライズ感が強調されています。

それぞれの方法には共に需要が存在していますが、購入意思決定プロセスは消して同じではありません。

ライブコマースは、意思決定コストの低い日常的な消耗品に適しており、必要に応じて購入し、意思決定コストの高い大量の対象物には、このような購入方法を採択するのは珍しいです。

この話をもっと展開していくと、ライブコマースにはランダム性があり、ユーザーの購入・再購入コストは非常に高いと中国EC研修者がそういった見解を示しています。

市場価格より遥かに安く割引された商品があるとします。特定のライバーが頑張って成約したこの商品は自分のライブルームにしか存在せず、さらに数も限られているため、ユーザーは決まった時間帯に合わせて購入しないと手に入れられず、非常にハードルが高いものとなってしまいます。
ユーザーがライブ配信時の価格で購入をリピートしようとしても難しい傾向があります。

ライブコマースも若干ヒートダウン

ライブコマースの爆発的に普及したことは、2020年に流行する「新型コロナウイルス」に言及しなければなりません。

コロナウイルス感染が広まる中で中国EC事業者にとってライブEコマースに商機を見極め、ライブコマースはEC運用においてはほぼスタンダードといえるほどのものとなりました。ところが、消費者はライブルームに張り付いていた頃のようなライブコマースに対する情熱を今はそこまで持ち合わせていませんでした。

抖音(ドウイン)流のECへ挑戦

商品供給の面では、ライブコマースの台頭に伴い、標準化や規制が最も難しい地域の特産品や農産品などのノーブランド品が増えております。抖音(ドウイン)にとっては、商品安全にも莫大なコストがかかっています。 したがって、安心感をもたらすブランド品に対する需要や訴求が高まり、多くのマーチャントに出店してもらえるよう誘致することが急務となりました。

抖音(ドウイン)流のEC

多くのインフルエンサーが活躍する場所として抖音(ドウイン)のECモールとこれからも強く関係していると予想できます。
国内並びに海外ブランドと連携しながら、さらに中国のKOL・KOC、アフィリエイターたちを囲い込み、インフルエンサー力を持つ「売れるECモール」を作り出す可能性は十分にあります。

ただ膨大な流入を持っているからEC市場へ入りこむの簡単だということはまったくないので、最も流入が大きいWeChatでも、ECへの道はまだまだ長引いています。

アリババや京東モールのようなモールへ急展開しちゃうとファンの消費者たちが戸惑いかねないので、抖音(ドウイン)は以前よりサービス体験を強化しながら、いかにDAU6億ユーザーをECへ送客できるのが課題にはなるでしょう。

 

ABOUT ME
Jiang
中国上海出身で2018年に来日、現在福岡在住。 来日前8年間中国マーケティングの仕事に携わり、ウェブマーケティング専門でマーケターとして活躍しています。 中国集客・広告・EC出店をご提案しています。

※注意

本ブログの投稿内容に関するお問い合わせをして頂いてもご返信できませんので、何卒ご了承ください。