マーケティング

【2023年版】中国越境EC戦略を左右する中国インターネット・ECの最新トレンド

更新履歴

2023.05.01 ECアフィリエイトができるプラットフォームを更新しました。

21世紀に入ってから最も急速に成長している国のひとつである中国では、インターネットの初期から昨今に至るまでここまで形態が変化した国は唯一かもしれません。
多くの新しいインターネットビジネスモデルが、かつてのシェアサイクルサービスのように一夜にして中国で大ヒットする可能性があります。

それは中国政府の政策に伴うものであり、世界と密接に繋がらず隔離された壁の中で独自の文化を構築したようなイメージになります。
中国のインターネットの歴史や現状、中国のインターネット消費者の習慣を理解することは、中国市場に参入するというテーマから外せません。

本記事では、2021年現在の中国のインターネット環境から見えてきた、さまざまな傾向や状況を簡潔にまとめ、これから中国市場に参入しようとしている、あるいは現在参入している日本の事業者の皆さんの参考になればと存じます。

情報サイロ化に向かっている

サイロとは家畜の飼料、米や麦などの農産物などを個別に貯蔵しておく大きい容器あるいは倉庫のことです。
転じて情報サイロ化は、孤立した管理システムで関連するまたは関連すべき他のシステムとの相互運用ができない状態により、情報は十分に共有されず隔絶される状態になりつつあることを意味しています。
中国のインターネット世界に当てはめると、アプリとビッグデータの運用になります。

そこで起こった問題としてこのまま進むと今後中国ECでの集客がどんどん難しくなるという結論に至ります。

なぜか?
デバイスの占有率の奪い合いによってユーザーを獲得した企業、自社のアプリばかりに依存してほしいという願望が強まったあげく、いつのまにかアプリ間の競争と化した世界になってしまいました。
それは島と島のように情報が一切分断され、風通しの悪い状態になりつつありました。

中国は自社ECサイトの希少状態、EC目的で検索エンジンを使う人が年々と少なっていく数値がでているので、それが証拠です。
情報サイロ化によってアプリがインターネット上の流入を大半占めている状況になりました。

アプリに依存した中国ECマーケティングについて詳しく記載した記事も合わせてご覧ください。

海外のインターネット世界と異なって中国はアプリの位置づけにおける重要さを予め理解し、従来のSEOなどではなく、複数ある他社の「アプリ」を土台にしたEC集客を念頭に入れるべきではないかと考えています。

ECに参入する大ブーム

中国企業は基本的に社員の副業を制限したりしていません。
ほぼ誰でも副業がOKである比較的に楽な仕事環境が用意されています。本業の収入が足りなく副業でバンバン稼いでいる人たちも結構います。

副業に対して中国はまた世界と違って独自のルートを歩んできました。
それはKOLです。

実質KOL=売れるインフルエンサーのことです。
ある分野に対して知見を持ってその発言と行動によって視聴者が購買活動を起こし売上を立ててくれる人達ですので、メーカーに重宝されていました。
Youtuberのように協力してもらったり、テレビショッピングのようにライブコマースで商品を紹介してくれたりなど様々なコラボ方が存在しています。

2020年に入ってから、予算の余裕あればもはやKOL+ECモールサイトだけで売れてしまうケースもあったので、KOLを雇えばなんでも売れちゃうような錯覚に陥り、KOLへの盲信やKOLになろうとしている人たちが増加していました。
その勢いに乗ってもともとECと無縁だった、KOLが良く使うアプリもEC機能をつけたり、アフィリエイト用商品を提供する広告主に出品してもらったりにして、ASP(アフィリエイトサービスプロバイダー)と化したように見受けられます。

アプリでアフィリエイト活動

少なくともアフィリエイターになろうとするハードルがその施策で一気に下がり、「副業ならECアフィリエイター」が主流になりつつあるほどでした。
事業者にとっては予算問題で一段落とした戦略としてアフィリエイターを活用したEC展開を検討しても良いと思われます。

ただ、前述の「情報サイロ化」によってそういったアプリ数も複数存在している状態なので、それを活用するのにそれなりに膨大なコストや苦労がかかるのが間違いありません。

KOLによるアフィリエイト広告が
できるプラットフォーム

定番中の定番、アリママ

アマゾンのアフィリエイト仕組みをほぼ踏襲している中国最大のECアフィリエイトサイトであるアリママです。
アリババグループ傘下のECサイトに共通しているアフィリエイトサービスです。
アリママを登録しておくことで商品リンクを取得してサイト、ブログ、ウェイボーで露出して稼ぐやり方ですが、ウェブサイトを主体とした時代では、最も効率よくアフィリエイト方法です。
ドウインECから影響を受けながらも10年以上前から普及してきました。

ドウインEC

2017年リリースしたショート動画アプリのドウイン、今は中国で最も成長が速いSNSですが、動画コンテンツで人を束ねるプラットフォームで、新たなSNSとして注目を浴びられています。
商品のレビュー動画コンテンツを作成して「カート」に紹介したい商品をリンクする機能があり、動画コンテンツを見て買いたい方は「カート」ボタンをクリックしたら購入ができるといった新しいアフィリエイト形態です。ただ「カート」機能は誰でも開設することができなく、フォロワーが1000以上という条件を満足する必要があります。
インフルエンサーを称している人たちはほとんどその条件をクリアしています。

小紅書EC

約1億の中国女性陣が使われているSNS、中国インスタグラムとも呼ばれるREDですが、
中国での口コミUPを図るために多くのメーカーに使われています。
ドウインECと大きく異なる点として、動画だけではなく、従来のテキストと画像を使って、ドウインの「カート」機能と同じう、商品購入をリンクすることができます。
また使用条件もドウインと同じ、フォロワーは1000人以上でなければなりません。

インフルエンサーありきの販売になりますが、
販売手数料がかかるとはいえほぼ完全成功報酬に近いアフィリエイトなので、
多く販売したいEC事業者側、多く儲かりたいインフルエンサー側の利益が一致しています。試したことがない商材でも、売れる自信を湧かせる手法です。

ただどんなECサイトでもアフィリエイトできる商材としてなんでも登録できるの?といったら、そうでもありません。
ドウインECを例として解説しますと、以下の条件を満足しないといけません。
■店舗について
①ドウインECを開通して店舗スコアは4.2以上 ※60日以内新規の店舗は問われません。
②過去30日に、4ポイント以下のペナルティを受けていない
③偽物販売、不当な利益を獲得、消費者に被害が及いだなど重大なルール違反とみなされた行為がないこと

■商品について
①過去30日の24時間出荷率>45%
②過去30日のカスタマイズサービス満足度>65%

あらゆる変化に対応する中国越境EC

10年前と比べてモール出店への一点張りからの局面を打開し、今の中国越境ECは複数の選択肢が用意されていますが、変化し続ける中国EC市場では、いかにポテンシャルのあるところを見据えてあらゆる変化に十分対応できる越境ECモデルを探し出す柔軟さが必要です。

「今の中国越境EC」を実施するのにふさわしいやり方について詳しいお話を個別でノウハウをご紹介させていただきます。
ご興味のあるか方はこちらからご連絡いただければ幸いです。

また、中国だけでなく世界中に越境ECをご検討されているから、以下の記事を合わせてご一読ください。
株式会社オープンロジは国際物流業者の視点として、『越境ECの集客方法とは|越境ECのポイントや事例を踏まえてご紹介』という記事にて、越境ECの成功につながらポイントを複数、また事例も紹介していますので、併せて参考にしてみてください。

ABOUT ME
Jiang
中国上海出身で2018年に来日、現在福岡在住。 来日前8年間中国マーケティングの仕事に携わり、ウェブマーケティング専門でマーケターとして活躍しています。 中国集客・広告・EC出店をご提案しています。

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