米国のデミニミス(少額免税)廃止が話題ですが、中国向けの越境ECはまったく別の税制体系で動いています。中国には越境EC専用の優遇税制「跨境EC綜合税」があり、これを正しく使えるかどうかで商品の実質価格が変わります。
本記事では、日本から中国の消費者に販売する際の税制の基本(跨境EC綜合税・行郵税)、販売モデルによる違い、実務の注意点を解説します。
政府認可の越境ECルート(保税区モデル・直送モデル)で個人消費者に販売する場合に適用される専用税制です。骨子は次の通りです。
個人の携帯品・郵送品に適用される税で、品目により13% / 20% / 50%の3区分です。税額50元以下は免除される運用が知られていますが、事業としての継続販売を郵便ルートで行うのはグレーであり、税関の取り締まり強化のリスクを常に負います。
事業としての越境ECは①の正規ルートで設計するのが原則です。
| モデル | 仕組み | 向いているケース |
|---|---|---|
| 保税区モデル(1210) | 中国の保税倉庫に事前在庫→注文後に通関・配送 | 販売量のある定番品。配送が速く物流単価も下がる |
| 直送モデル(9610) | 注文ごとに日本から発送・通関 | テスト販売・多品種少量・鮮度が重要な商品 |
どちらも通関には商品情報・注文・決済・物流の「三単合一(データ突合)」が求められ、プラットフォーム(天猫国際・京東国際・小紅書等)経由なら仕組みに乗れますが、自社ECで行う場合は通関パートナーとのデータ連携設計が必要です。
当社は天猫国際等のモール出店から、Magento(Adobe Commerce)×Alibaba Cloudによる自社越境ECの構築、小紅書での口コミ・販売までを一気通貫で支援しています。税制・通関を含む販売モデルの設計段階からのご相談は中国越境EC構築サービスをご覧ください。米国など中国以外の関税動向は、姉妹メディアの越境EC関税記事もあわせてご参照ください。
正規の越境ECルート(跨境EC綜合税)なら、限度額内(1回5,000元・年間26,000元)で関税0%、増値税・消費税は本則の70%課税です。例えば増値税13%の商品なら実質約9.1%となります。限度超過分やポジティブリスト外の商品は一般貿易として通常課税されます。
個人間の少量のやり取りなら行郵税(13%/20%/50%、税額50元以下免除の運用)ですが、事業として継続販売を郵便ルートで行うのは取り締まりリスクが高く推奨できません。事業の越境ECは跨境EC綜合税の正規ルート(保税区モデルまたは直送モデル)で設計すべきです。
販売量とスピードで決めます。定番品で販売量が見込めるなら、保税倉庫に在庫を置く保税区モデル(配送が速く物流単価も低い)が有利です。テスト販売・多品種少量・賞味期限の短い商品は日本から都度発送する直送モデルが向きます。多くの事業者は直送でテスト→売れ筋を保税区へ、と段階移行します。
使えますが、通関に必要な注文・決済・物流データの連携(三単合一)を通関パートナーと構築する必要があります。Magentoのようなカスタマイズ可能な基盤なら、通関データ連携・中国決済(Alipay/WeChat Pay)・中国向けインフラを含めて自社EC側に実装できます。当社はこの構成の構築を支援しています。
This website uses cookies.