2025年11月14日に中国政府が「日本への渡航自粛」を勧告したことを受けて、航空会社や旅行会社の動きが大きく変わり、日本旅行の話題も少しセンシティブになっています。
小紅書で日本関連の投稿を続ける方に向けて、いま知っておきたいポイントと注意点を整理しました。
航空会社では複数の中国主要キャリアが日本行き航空券の無料キャンセルを受け付け始めており、1週間で約50万件もの訪日航空券がキャンセルされました。
これは直近3ヶ月に分散して考えると、月あたり約18万件、訪日予定者の約2割が旅行を取りやめた計算になります。
なお、全体のキャンセル率としては、2012年の政治問題が影響した時期に比べるとやや低めの水準にとどまっています。
加えて、旅行会社でも日本向け旅行商品の販売停止が広がっており、すでに販売済みの商品についても無料でキャンセルできる措置が取られています。
対象の中心は団体旅行商品ですが、FIT(個人旅行)向け商品も一部含まれるため、インバウンド需要には一定の影響が出ている状況です。
ただし、今回の「渡航自粛」はあくまで政府による“勧告”であり、行政命令のような強制力を持つものではありません。
そのため、旅行者側の判断によって訪日旅行は引き続き可能であり、完全な禁止には至っていません。
| SNS | ユーザー層 | 日本旅行への雰囲気 |
|---|---|---|
| Xのような時事系・反応早い | ややネガティブ多い | |
| DOUYIN(Tiktok) | 若年層・学歴収入低め | 風評の影響受けやすい |
| 小紅書(RED) | 高学歴・高収入・女性多い | 依然として日本旅行ポジティブ投稿が多数 |
小紅書の空気は比較的落ち着いており、過度に心配する必要はないです。
ただし投稿内容には注意が必要になります。
日本旅行を「今すぐ行くべき」といった強い言葉で推奨する表現は避け、あくまで情報提供や体験共有のスタンスを保つことが重要です。
特に「絶対行って」「今行かないと損」といった煽り表現は、現在の空気感と一致しないためリスクがあります。
また、日中関係や今回の発言問題など、政治的なテーマに触れることは避けるべきです。旅行関連の投稿であっても、政治を連想させる言い回しや安全性に関する断言的表現は控え、純粋に文化・生活・観光情報にフォーカスしたほうが安全に運用できます。
投稿する写真・動画の内容は“旅行宣伝”的な雰囲気ではなく、日本の日常や風景、食べ物、文化など、生活寄りのテーマに寄せるとプラットフォームとの相性が良く、外部からの批判も受けにくくなります。
小紅書内の旅行ワードに対し、広告出稿の制限が入りました。
これらのワードで検索すると、上位50件には広告が表示されない設定となっており、外部への炎上リスクを回避するための一時的な管理強化です。
期間はひとまず11月末までですが、状況次第では延長される可能性もあります。
通常投稿でもタイトルや本文にこれらのキーワードを直接入れるのは避けたほうが安全です。アルゴリズムによって露出が抑えられたり、
審査が遅れたりする可能性があるため、地名や旅行ワードは“柔らかい言い換え”にするのが無難です。
例として、「日本旅游攻略」「大阪旅游」などのストレートな表現は避け、「秋に訪れた街の記録」「関西のとある一日」といった生活寄り・体験寄りの語り口にすることで、不要なリスクを避けつつ自然な投稿ができます。
旅行系アカウントの場合、広告やまたはオーガニックによる流入が落ちることで、これまでよりも投稿の露出やアクセス数が減少する可能性があります。
そのため、短期間ではありますが、テーマを調整したり、旅行色の強いルート紹介を避けたりするなど、運用方針の微調整が必要になるケースも考えられます。
一方で、自然検索やフォロワー基盤に影響はほとんどなく、通常の投稿を継続するうえでは大きな問題にはなりません。むしろ、生活系・文化系のコンテンツに寄せることで安定した伸びを維持できるため、投稿者は過度に心配する必要はなく、時期が落ち着くまで“少し控えめ”なトーンで投稿を続けるのが安全と言えるでしょう。
今回の渡航自粛勧告に関しては、中国側の強い反応がしばらく続くと見られており、専門家の分析では、この状況はおおよそ一~二週間ほどで徐々に落ち着き始めると予測されています。
これ以上の問題が発生しなければ、旅行需要そのものは回復基調に乗りやすく、遅くとも来年二月の春節前には、訪日旅行がほぼ通常水準に戻るだろうと予想されています。
今回の動きが「行政命令ではなくあくまで勧告」にとどまっている点も、長期的な旅行需要の回復を後押しする材料となっています。
そのため、小紅書の投稿者にとっては、今は一時的にトーンを落として静観しつつ、情勢が安定するまで落ち着いた内容で運用するのが賢明であり、過度に悲観する必要はないというのが現時点での見通しです。
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