ECサイトを作成するだけで売れるなんてことは当然御座いません。
流入をゼロから創出し如何にサイトに滞留させるかはECサイトの運用において永遠な課題です。
新規顧客を獲得するコストは日々増加しており、どんどん難しくなっている状態になりつつあります。
以前WeChatミニプログラムによる越境ECサイトについて以下の記事でご紹介しました。
今回はすでにWeChatミニプログラムによる越境ECを実施されている企業、OneslifebeautyさまおよびCDF beautyさまの事例を各機能を紹介しつつECの運用方法をおさらいしましょう。
OneslifebeautyおよびCDF beautyの簡単紹介
one’s life Japan(ワンズライフ・ビューティ)は、1996年に設立された日本の有名な直営ドラッグストアチェーンで、美容・化粧品やヘルスケア商品を販売しており、オフラインでの売上は年間を通して業界トップ3に入っています。
2020年前半の売上は2,000万元前後(約3億4千万円)です。
CDFグループの香港初の免税美容旗艦店として「CDF Beauty」はWeChatミニプログラムを利用し、中国香港エリアの消費者向けサービスを開始しました。
2020年前半の売上は1.9億元前後(約32億5千万円)です。
WeChatミニプログラムによる中国ECサイトを以下のQRでご確認いただけます。
※WeChatのスキャン機能を使う必要です。
起動画面広告
WeChatミニプログラムに入った瞬間は起動画面に広告のポップアップが確認できました。
そこにバナーを設置できるので、会員登録したらボーナスをもらえる、キャンペーン中の商品情報、期限限定セールなどの広報に使われるのがほとんどです。
バナーだけでなく割引券も直接貼ることができるので、ワンクリックで受領でき、すぐ購入につながる仕様になっています。
割引券の配布
Oneslifebeautyミニプログラムのトップページに「关注领取优惠券」と文字が書かれており、「フォローしたら割引券をプレゼントする」という意味になっていてすぐ目が引かれました。
フォローというのは、WeChat公式アカウントにフォローすることを指しています。
ここでは詳しい解説を省きますが、WeChat公式アカウントにフォローした顧客に対して、メルマガのように店舗側からニュースレターや記事を配信することができると意味を捉えていればわかりやすいと思います。
ユーザー側に受信した情報はWeChatのメッセージに表示されます。
WeChatがほぼ毎日チェックされているアプリのため、店舗からのメッセージ開封率が従来の手段と比べて非常に高いとわかり、多くの店舗は割引券や特典を配布することによってフォロワーを獲得するということをメジャータスクにしています。
WeChatミニプログラム+WeChat公式アカウントで平行で運用しているのは大概この使い方が理由です。
強力なセール機能
任意の商品を〇点を選んで総額10,000円の商品をたった5000円で獲得できるセール形態は中国で流行しています。
これは中国の商習慣ではよく使われる手法の一つです。
今回Oneslifebeautyが実施しているのは、上記のマルチレベルに対応し、対象商品のグループごとに3点を選んで、それぞれ1500円~14,800円まで10段階分けてタイムセールを実施しています。
お得感を出してこの瞬間買わなければ損をしてしまうイメージを植え付け、売上を創出するとともに在庫処分できるといったメリットでこのセール機能は重宝されています。
CDF Beautyが施す会員CRM運用
WeChatミニプログラムは会員に対して優れた運用機能が備えています。
特にポイントの付与および顧客ごとに成長値という属性が存在します。
ページ閲覧、商品シェア、購入など様々なユーザー行動に対して成長値の振り分けができるというルール設定も自由にカスタマイズ、成長値によってセグメンテーションされた顧客にはまた異なる販売促進を施すことができます。
会員カード
会員カードは受領条件に基づいて特定また全員向け配れます。さらに会員ランクアップに対応した会員特権またはランクアップ時のボーナス設定もできる機能がデフォルトで整備しています。
事業者ごとに異なり、多彩で魅力的な会員制度を練っていけます。
受領条件:購入金額、件数または指定商品が購入された場合、会員カードを受領できる機能です。
CDF Beauty会員になれば、商品購入の割引および出荷優先この二つの会員特典がもらえます。
顧客成長値=貢献度
昔からの自社ECサイトの顧客に対して同じ商品を通常の価格で販売していることは特段珍しいことではないと思います。
ほとんどのECプラットフォームはユーザー貢献度という指標がなく、考えることなく運用しているのが現状です。
店頭でいつも来ていた常連客に次も来てほしいとので、何かしらインセンティブを与えるなどして次回の来店機会を創出するのは自然です。
ECサイトではこれを自動で実現するのはシステムごと考慮しないといけません。
「顧客成長値」という指標があれば、成長値の高いユーザー、つまり店舗の売り上げに貢献してくれた顧客に何かしらを還元できて最終的に売上増加につながる策を練れます。
CDF Beautyの運営のやり方を見てみると、会員制度には、ノーマル、シルバー、ゴールド、CDF Clubという四つのランクに分けています。
次のランクへ昇格するには成長値を稼いでいかなければならない仕様になっています。
ここは重要な話です。
成長値は別に必ずしも商品購入から発生するわけではありません。
店とのコミュニケーションやインタラクティブすべての行動、任意な接点から生まれます。
たとえば、下記考えられます。
・公式アカウントへフォローした場合
・店に訪問した場合
・個人情報を提出した場合
・店や商品を他人にシェアした場合
まとめ
一度店に入ってきた顧客や購入してくれた顧客に対して再び来店などしてもらえるにはこれらのようなさまざまな施策が考えられます。
WeChatミニプログラムはこういった顧客を離脱させないようにいろんな面で工夫されています。
大手モールサイトでの出品は初期自然流入があるとはいえ、行動を縛られながら売っていって長いスパンから考えればメリットがありません。
利益率に基づいて考えたイベントを駆使して顧客との接触しやすさ、店の運用においてこの自由さはミニプログラムによる越境ECの魅力ではないでしょうか?
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