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2025年中国市場の「自築消費」がマーケティングの新キーワードに

2025年の中国市場において、「自築消費(じちくしょうひ)」が重要なマーケティングキーワードとなっています。「自築消費」とは、単なる商品の購入行為ではなく、消費を通じて自己表現や自己実現を果たす新たな消費スタイルを指す。

このトレンドは、小紅書(RED)、抖音(Douyin)、微博(Weibo)、微信(WeChat)といった主要なSNSプラットフォームと密接に結びついています。本記事では、各プラットフォームが「自築消費」をどのように促進しているのかを解説し、それを活用した効果的なマーケティング戦略について紹介します。

「自築消費」とは?

「自築消費」とは、消費者が「商品を購入すること自体を自己表現の一環」と捉える消費行動のことで、以下の特徴を持ってます。

自己表現のための消費

消費者は他者との差別化を重視し、限定品やオリジナル商品を好みます。
特にカスタマイズ可能な商品や、個性を反映できるアイテムに価値を見出します。

購入プロセスの重要性

商品そのものだけでなく、ブランドのストーリーや世界観に共感できるかが重要視されます。
購入理由をSNSでシェアすることで、他者との共鳴を生みます。

体験型消費

物理的な商品だけでなく、NFTやバーチャルアイテムといったデジタルコンテンツへの関心も高まっています。ARやメタバース技術を活用した「バーチャル試着」「限定フィルター」などの機能が人気を集めます。

小紅書(RED)と「自築消費」

小紅書(RED)の特徴

小紅書(RED)は口コミや体験共有が中心のSNSプラットフォームで、特に若年層や女性ユーザーに人気があります。ユーザーは「なぜ購入したのか」というストーリーを重視し、リアルな体験談が広告よりも信頼されています。

小紅書(RED)を活用した「自築消費」マーケティング

買物のガイドブックと称されてきた小紅書(RED)では、ユーザーレビューは非常に重要視されているコンテンツとなっています。
今までの口コミマーケティングを基に、自己顕示欲のあるレビューへ強化し、「このバッグ、私のライフスタイルにぴったり!」と思わせるかのように、商品の魅力を伝えることはポイントです。

「限定商品」や「個人のユニークな価値」
「小紅書(RED)限定カラーの化粧品」や「抽選でしか手に入らないユニークなデザイン」などの商品を展開し、特別感を演出します。

「ストーリー消費」
消費者に「なぜこの商品を選んだのか」を語らせ、ブランドの世界観を強調します。
「この靴は旅行が大好きな私にとってまさにパーフェクト!」

抖音(Douyin)と「自築消費」

抖音(Douyin)の特徴

抖音(Douyin)は短尺動画を中心としたエンタメ&ECプラットフォームです。
小紅書(RED)とは異なり、ダイナミックなコンテンツが好まれます。

抖音(Douyin)を活用した「自築消費」マーケティング

「ライブコマース」と「自己表現」
ライブ配信で商品を紹介し、視聴者のリアルタイムフィードバックを利用して彼らが「自分にぴったりの商品」を選ぶのを助けます。

「変身メイクコンテンツ」
ファッション、フィットネスなど、消費者が「理想の自分」に近づくことができる変身コンテンツが有効です。

「バーチャル試着」
「このサングラスをかけたら、意外と似合ってる!」とAR技術を利用して、ドウイン内でリアルタイムの試着や試用をユーザーに試してもらうことで、成約率の向上に影響します。

微博(Weibo)と「自築消費」

微博(Weibo)の特徴

ウェイボーは中国最大のソーシャルメディアのひとつで、その強大な宣伝力で知られています。コンテンツがトレンドを形成しやすいため、小紅書(RED)やドウインで人気になったコンテンツを再伝播するのに非常に適しています。

微博を活用した「自築消費」マーケティング

ユーザー生成コンテンツ(UGC)の活用
ユーザーに使用体験をシェアしてもらい、消費者間の共感を促す。

インフルエンサー(KOL)とのコラボ
「私の美容ルーティンにはこの商品が欠かせません!」などと有名人が推薦する「自己実現型消費」に役立つ商品を紹介することで、PR感を薄くし、同じく商品を使った消費者としての目線から評価することになり、「その人と同じこうありたい」と思っているユーザーには、商品を受け入れやすくなる効果があります。

微信(WeChat)と「自築消費」

微信(WeChat)の特徴

微信(WeChat)は中国最大のインスタントメッセージングプラットフォームであり、ミニプログラムを利用した「プライベートドメイン消費」が非常に重要であります。

「プライベートドメイン消費」とは

主にビジネスやブランドが自社が所有し、管理するプラットフォームやチャネルを通じて、顧客と直接インタラクションし、商品やサービスを提供する消費形態を指します。
この概念は、トラフィックや顧客データが主に第三者が所有する公開ドメイン(例えば、大手電商プラットフォームやソーシャルメディア)に対して使われます。
プライベートドメイン消費では、企業は自社のウェブサイト、アプリ、ミニプログラム、ソーシャルメディアアカウントなどを通じて、顧客関係を構築し、維持し、顧客体験を最適化し、顧客ロイヤルティを高めることができます。

微信を活用した「自築消費」マーケティング

パーソナライズドミニプログラム
AI技術を利用して、ユーザーのWeChatでの閲覧や検索履歴に基づいて好み商品をおすすめするという手法を使います。

会員専用特別体験
微信(WeChat)公式アカウントをフォローすると、ユーザーは特別割引やカスタムサービスを受けることができるのがその一例です。

シェア × グループ購入
「友達と一緒に購入すると割引が受けられる」などの方法で、コミュニティ消費を促進することができます。
みんなと一緒購入して割引をもらった!などというユーザーコメントもWeChatの中でバズったなどの相乗効果も期待できます。

まとめ

2025年の中国市場では、「自築消費」が消費者の購買意欲を高める重要なキーワードとなります。効果的なマーケティング戦略を立てるには、以下のポイントを意識することが鍵となります。

小紅書(RED):購入ストーリーの共有で共感を生む
抖音(Douyin):ビジュアルと変身体験でバズを狙う
微博(Weibo):拡散力を活かして話題化
微信(WeChat):パーソナライズ消費でロイヤルカスタマーを獲得

これらのプラットフォームを効果的に組み合わせることで、消費者が「自分の価値を築く」手助けをし、ブランドの成長へとつなげることができる。

ABOUT ME
Jiang
中国上海出身で2018年に来日、現在福岡在住。 来日前8年間中国マーケティングの仕事に携わり、ウェブマーケティング専門でマーケターとして活躍しています。 中国集客・広告・EC出店をご提案しています。

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