中国インターネット情報センター(CNNIC)の第51回「中国インターネット発展状況統計報告書」によると、2022年12月時点で、中国のショート動画ユーザー数が初めて10億人を突破しました。今回の記事では第51回「中国インターネット発展状況統計報告書」の内容を基に、中国ショート動画ユーザーに関する現状データ分析と、中国ではどんな動画プラットフォームが良く使われているのか、紹介をしていきたいと思います。ショート動画を活用した中国SNSマーケティングを検討している方に、今日の記事がヒントとなれば幸いです。
中国でショート動画ユーザー10億人突破
画像引用元http://j.people.com.cn/n3/2023/0306/c95961-10217104.html
アクセス日:2024/2/20
中国インターネット情報センター(CNNIC)の第51回「中国インターネット発展状況統計報告書」によると、2022年12月時点で、中国のインターネットユーザーは10.67億人となり、インターネット普及率は75.6%になります。
なお、本報告書で提示されていたデータを引用し、2022 年 12 月までの、中国におけるインターネット関連サービスの利用者数と普及率を、各項目ごとにまとめさせていただきました。
項目 | ユーザー人口 | 普及率(インターネットユーザーのうち) |
動画サービス | 10.31億 | 96.5% |
ショート動画サービス | 10.12億 | 94.8% |
オンライン決済 | 9.11億 | 85.4% |
オンラインショッピング | 8.54億 | 79.2% |
ライブ配信 | 7.51億 | 70.3% |
引用:第51回「中国インターネット発展状況統計報告書」,中国互联网络信息中心(CNNIC),2023,P1-2
「ショート動画コンテンツとEコマースはのさらなる融合により、ショート動画Eコマースエコシステムが徐々に形作られた。近年、ドウイン、Kuaishouなどのショート動画プラットフォームは、ショート動画コンテンツからEコマースマーケティングへの連携を進める一方で、オンライン決済システムの普及も加速してきた。ショート動画Eコマースのエコシステムが形成されつつある。」
引用,弊社翻訳:第51回「中国インターネット発展状況統計報告書」,中国互联网络信息中心(CNNIC),2023,P50
中国で人気のショート動画サービス
ユーザー数が拡大してきた中国ショート動画市場ですが、特に人気な中国ショート動画プラットフォーム4選を紹介していこうと思います。
1.Douyin(抖音/ドウイン)
Douyin(抖音/ドウイン)は、TikTokと同じSNSですが、中国では中国をベースにしたSNSしか利用できないという事情があるため、中国本土のユーザーはTikTokではなくDouyinを利用しております。約7.4億人の月間アクティブユーザーを抱え、TikTokに類似したコンセプトで、エンターテイメント系のコンテンツが多いです。また、中国の主要ECサイトである「Tmall・タオバオ・JD」などのサイトの商品を直接リンクづけたり、ライブ配信で商品を販売したりすることができ、Eコマースとの連携が強いです。
2. Kuaishou(快手/クァイシュウ)
Kuaishou(快手)は「2大ショート動画プラットフォーム」としてDouyinとよく並んで比較されるSNSで、約4.8億人の月間アクティブユーザーを抱えております。YouTubeやMixChannelに似たプラットフォームで、日常のスナップや料理、トリビアなどの幅広いコンテンツが投稿されます。こちらもEコマースと連携し、個々の興味や好みに応じて動画を推薦するアルゴリズムを持っております。
3. 小紅書(レッド/シャオフォンシュウ)
小紅書(レッド/シャオフォンシュウ)は、約2.6億人の月間アクティブユーザーを抱え、20代後半から30代前半の女性ユーザーが多いです。レッドはInstagramやPinterestのように、画像投稿も多く投稿されるSNSですが、動画を投稿した場合は画像投稿より拡散されやすいというアルゴリズムを持ちます。こちらもEコマースとの連携が可能で、ファッションや美容などのインフルエンサーが多く活躍しております。
4.WeChat(微信/ウィーチャット)動画チャンネル(視頻号)
Wechat(微信/ウィーチャット)は、約13億人の月間アクティブユーザーを抱え、LINEやFacebook Messengerに似たメッセージアプリで、中国で年齢性別関係なく圧倒的シェアを誇るSNSです。
日本ではあまり知られていないのですが、実は2020年2月よりWechat内に動画チャンネル機能(視頻号)が搭載され、2022年6月時点で8億人の月間アクティブユーザー数を突破しました。WechatミニプログラムやWechatストアでの商品販売と掛け合わせて、プロモーションに活用できます。
まとめ
今回の記事では中国のショート動画ユーザー数に関する統計データの紹介と、中国で人気のショート動画サービスプラットフォームを4つ紹介しました。
拡大し続ける中国のショート動画市場で、動画を活用した中国SNSマーケティングを行うには、各プラットフォームの特徴を理解し、ユーザーに合った中国語でのマーケティング施策を行うことが必須です。しかし、中国では、中国独自のSNSサービスが使われており、中国SNSマーケティングの経験がない方がいきなり参入するのはかなり難しいのが現状です。
弊社では、中国マーケティングのプロがマーケティング調査から動画制作、運用、分析まで一気通貫でご支援させていただきます。もしご興味あれば、ヒアリングさせていただいた上で、貴社に合ったオーダーメイドの運用プランをご提案させていただきますのでまずはご相談いただければと思います。