中国人に最もよく使われているインスタントメッセージングツールとして、10億人近くのユーザー規模を持つWeChatは、中国企業における重要なマーケティングメジャーツールになっています。
よってWeChat公式アカウントを立ち上げることは、企業がエンドユーザーに対して効率的にリーチするのに大きく役に立っています。
WeChat公式アカウントの運用の仕組みやノウハウを理解することで、中国の顧客を獲得する効率性を向上させることができます。
そのポイントから見るとWeChatは中国のマーケティングの必需品と言えます。
WeChatの公式アカウントを成功させる要は、コンテンツを深く理解することと切り離なすことはできません。
それを知らないでスタートトしてしまい、結果倍の努力をして半分の成果しか手に入らないケースが多々あります。
WeChat公式アカウントやその特徴とは
WeChat公式アカウントは、WeChatアカウントから独立した企業または個人向けアカウントです。
企業または個人は1対1でアカウントのフォロワーに記事を配信できます。
このモデルから見るとメルマガの仕組みと酷似しています。
ただし、受信したユーザーがコンテンツが良いと思った場合、モーメンツ(タイムラインみたいな機能)で簡単に共有しそのユーザーの友人たちにも露出を得ることができるという違いがあります。
また、WeChatの公式アカウントのトップページには、ウェブサイトのようにメニューの設定が行えます。
それで自社ECサイトへリンクを配置することも可能となります。
主流のソーシャルメディアと比較して、WeChatは情報の到着率において完全に異なるパフォーマンスを持っています。
たとえば、Weiboのアルゴリズムメカニズムでは、タイムラインを表示するために各ユーザーがフォローしたアカウントのクオリティによって投稿の順序と優先度を制御する必要があるので、フォローした分だけすべてタイムラインに投稿を表示することはできません。
つまり、フォローしているアカウントで公開されている情報の一部が表示されない場合があります。
企業の影響力をアルゴリズムによって抑制されているわけです。
WeChatの公式アカウントには、この点に関して一切なく、送信した分は確実に届けて、ユーザーに知らせることができます。
公式アカウントの種類
WeChatの公式アカウントには、「订阅号」と「服务号」の2種類があります。
それぞれには一定の違いがあるが、ここでは詳細は省きます。
簡単に言うと、
「订阅号」は、企業または個人が情報を配信するために使用されるアカウントタイプです。
「服务号」は、企業または組織による情報の配信に加えて、拡張機能を提供するタイプの公式アカウントに限定されます。
拡張機能って何と思われるかもしれませんが、基本開発者しか使わない機能、公式アカウントの運用には関係が薄いので、ひとまず無視しても大丈夫です。
ただ、ここで認識してもらいたい違いが以下2つ御座います。
投稿の表示方法
「订阅号」と「服务号」によって投稿された記事が配信された後、ユーザーインターフェイスでの表示は完全に異なります。
「订阅号」は、配信したすべての記事がWechatメッセージの一覧にあるフォルダの中で格納されます。あなたの配信だけでなく、ユーザーがフォローしたすべての「订阅号」からの配信はフォルダーの下で一覧表示されます。
「服务号」は、連絡先のように個別に配置され、メッセージを受信するとトップに表示されます。
お気づきになったでしょうか?
メールボックスなどに置き換えると、整理されていないメール一覧か、自動的にフォルダに振り分けられてそのフォルダが然るべき箇所に表示されている状態です。
「服务号」を使えば、その仕組みによってより高い開封率が実現できて、最大限にユーザーにリーチできるということです。
▼▼メッセージ一覧にそれぞれの表示方法▼▼ ▼▼订阅号フォルダーの中身を開いた画面▼▼
配信回数の制限
WeChatは、アプリユーザー体験を妨げることなく、配信できる回数に対して「订阅号」と「服务号」に対して2つの異なる戦略を策定しました。
「订阅号」は、明確な通知と優先表示をしてくれないものの、毎日メッセージを1通配信できます。
「服务号」は開封率が高い利点があるとはいえ、月に4回しかメッセージを送信できない弱点があります。
送信頻度の方はうちでは重要だと思うかもしれません。
しかし、前述したとおり、実質メルマガと似たような性質を持っているWechat公式アカウントでも、1日に1通のメッセージを送信するのは多すぎると感じませんか?
月に4回配信できるということは週1回ぐらいの頻度になるので感覚は人それぞれですが、ちょうどいいとも言えます。
公式アカウントの数が急増し、コンテンツの均一性がより深刻な状況下では、コンテンツのクオリティとオリジナリティを向上させ、ユーザーを邪魔しない頻度で配信することは正しく適切です。
公式アカウントを運用する理由
中国マーケティングなら必ず実施しないといけないと運用価値を知ってるほとんどの企業は重要視しているが、運用する目的、なぜ行わないといけないかその理由があやふやな状態で、むやみにスタートしてしまいがちです。
目的がない状態でなんとなくやってる・やらされている状態だとフォロワーの数は増えず、まったく読んでくれない記事だけ残るだけです。
「運用スタッフの能力不足なのか、そもそも方向性が間違っているのか」
そんな思いをさせられたことはみなさんあると思います。
これから実施を検討しているあなたでも、そういう思いをしたくなければ、なぜ公式アカウントを運用するか、公式アカウントを運用する必要があるかどうかを理解しておく必要があります。
「お知らせ」ではないことを心がけよう
上記で公式アカウントの特徴を簡単に説明したように、メルマガやソーシャルメディアに代わった存在でもあります。
WeChat公式アカウントを使用する前提は、ユーザーに投稿する必要のあるコンテンツを整理する必要があります。
企業がユーザーに情報を配信する手段として最も効果的からと言って、会社の動き、理念など企業立場から作った「お知らせ」的な情報をできるだけ抑えることをおすすめします。
そのような情報を公開している業界トップクラスの会社であればまだしも、中小企業ならそのような記事で注目を集められると思ったら大間違いです。
コンテンツマーケティングあるのみ
WeiboやTwitterなどのソーシャルメディアでは、コンテンツがそれほど多くなくても、運用手法によってはある程度のフォロワーが獲得できます。
しかし、WeChat公式アカウントにコンテンツと言えるものがない場合、白紙の雑誌のようなものです。フォロワーを効率よく獲得することは不可能です。
したがって、運用を決める前に、現在スタッフにコンテンツマーケティングを実行するキャパシティーが充実かどうか、「お知らせ」だけではなくクオリティの高いコンテンツを定期的に配信する体制が構築できるかどうかを判断する必要があります。
では、一体品質の高いコンテンツとは何でしょうか?
ここでは、コンテンツマーケティングの概念について簡単に引用して解説します。
会社のトップが参加したイベント情報やその様子、会社が業界にもたらしたイノベーション、会社の優れた理念をコンテンツの主軸として多くの運営チームが会社の上級管理職から圧力を受けて記事を書かされたことは非常にリアルな現実です。
これは、会社にとって高品質のコンテンツだと認識されていることは否定できません。
ただし、ユーザーが常に評価者である事実は変わりません。
ユーザーの視点から見た高品質なコンテンツを常に検討し、計画的に価値のあって有益なコンテンツ制作を取り組みます。
記事を見てもらって最終的にプロフィットにつながることがコンテンツマーケティングの価値です。
クオリティのあるコンテンツを量産できる方法については、別記事で紹介する予定です。
成果が出せる公式アカウントにする方法
成果が出せる優秀なWeChat公式アカウントなのか評価するためのいくつかの指標があります。
- エンゲージメント率
- コンバージョン率
- フォロワー数
フォロワー数は、アカウントの品質の評価の中では特に重要な指標ではありません。
たとえフォロワーが100人しかない場合でも、そのフォロワーが定期的にコンテンツをチェックして積極的にコメントを残していれば、フォロワーを何万人持っていても一切気にされないアカウントの品質よりは遥かに優秀といえます。
ですので、企業がユーザーの参加を必要とするイベントやキャンペーンを行う場合や、新製品やサービスを発表する場合において、より多くの露出を得ることができるかどうかは、主に日常業務によってもたらされるエンゲージメント率に依存します。
エンゲージメントが発生しなければ、販売機会は生まれません。
したがって、エンゲージメント率を増加させることをアカウント運用の基本指針に持ち上げ、エンゲージメント率を維持しながら商品やサービスの広告活動を実施することを意味します。
WeChatの公式アカウントでできること
ユーザーと直接コネクトできるチャネルを用意したら、一方的に発信するだけでなく、ユーザーの意見を聞いて質問などを答えられます。
それを利用してさらに顧客ロイヤルティの増加につながります。
ここではそれらを含むいくつかの公式アカウントの使用法を紹介します。
- 新製品・新サービスの発表
- イベント・キャンペーンのお知らせ
- 割引クーポンの配布
- アンケート調査
- カスタマーサービス(キーワードに応じた自動返信が設定可能)
- ユーザーデータ分析
- 実店舗持ちの場合、O2O集客施策
WeChatの公式アカウントを開設するかどうか迷っている場合、または現在のWeChatの公式アカウント運用面に質問や診断をご希望の場合、お問い合わせください。
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