拼多多(Pinduoduo)は2015年9月サービスを開始、共同購入もしくはグループ購入と呼ばれた仕組みで人が集まって商品を安く買えるという特徴で知られてきました。
ソーシャルコマースの理念を取り入れた拼多多(Pinduoduo)はリリースしてから、わずか1年で1億ユーザーを獲得。
一日の売上総額は1000万元(1億5千円)にあっという間に達成しました。
大手でも同じ実績を成し遂げるには4,5年ほどかかるなどと評価された拼多多(Pinduoduo)がどのようにして成功を収めたのか。
その仕組みを解説したいと思います。
中国EC業者のダークホース
拼多多(Pinduoduo)はアリババやJD.comと異なり、ソーシャルネットワークに時間を要している若年層ユーザーをターゲットにしています。
Pinduoduoの公式データからまとめると、2018年時点ではインターネットの主力ユーザーはおおよそ全体の95.33%に占めています。
安くて評判がいいという風評を聞いて2020年今の段階では、40歳以上、50歳代の参入も増えてきてます。
ユーザーは中国東沿岸部に集中しているように見えますが、拼多多(Pinduoduo)はグループ購入によって安価製品を買えるという特徴で二流、三流都市や一部内陸都市でも人気となりました。
収入が決して高くない都市では安い値段でもそこそこのクオリティだった商品に対する需要が溢れているので、拼多多(Pinduoduo)はなぜ一年でそれだけのユーザー数を獲得できたかの要因の一つと考えられます。
共同購入(グループ購入)とは
共同購入(グループ購入)という仕組みをはじめた創始者はGrouponです。日本からは最近撤退をしましたね。
オンラインとオフラインを繋げ、複数のグループの参加を通じて割引を実現するショッピングの方法を作り上げました。
当初あった拉手網(現在買収済)や美団などの国内のグループ購入プラットフォームはすべてこのモデルの模倣といえます。
このモデルはこれまでのところ、クラウドファンディングとグループ購入という2つの成功したモデルを生み出しています。
クラウドファンディングは比較的に企業の財務上における問題や初期ユーザーの獲得において力を発揮しています。
一方、グループ購入はeコマースを限ったシーンにおいて購入者側の課題そして販売者側のトラフィック流入の問題を解決してくれる方法です。
拼多多(Pinduoduo)ソーシャルコマースのモデル
拼多多(Pinduoduo)で購入プロセス
拼多多(Pinduoduo)のショッピングロジックは、主にグループ購入を基づいたモデルで設計されています。
ユーザーはグループ購入を新規でするか、個別に購入するかを選べます。
個別の購入にはグループ購入を選んだ時の割引がありませんので、必然的にユーザーはグループ購入を選ぶことに大きく偏っています。
注文が正常に行われた後、グループ参加情報をWechatやWeibo、その他のソーシャルメディアに投稿したり、拼多多(Pinduoduo)アプリ内でも同じニーズを持つ見知らぬユーザーにも招待することが可能です。
グループの形成の選択肢は最大限に作られています。
グループ参加人数の条件に達すると、グループを形成したと見なされ、各購入者はグループ優遇価格(割引)が適応され、注文した商品は個別に発送されます。
逆にグループ参加の要件を満たせない場合は、グループ参加は失敗したとみなされ、支払い金額が参加者に返金されるという流れになっています。
ソーシャル関係の活用
WechatやWeiboなどのSNSに投稿しても、人が集まれない可能性は高いです。
購入意思がまったくなければ友達がシェアして買っているから、自分も買おうかなといった引き合いは弱いです。
人が集まることで取引を生み出し、単なるユーザーを定着させるための集客方法です。
「人」が前提になってきたと解釈した拼多多(Pinduoduo)は「如何」に人を集めるかといった課題を直面してきました。
拼多多(Pinduoduo)はそういった問題を解決するためにあるマーケティング施策を取り入れてみました。
それでユーザー母数が急激に増加、やがてソーシャルコマースといった概念や分野を作りだしました。
ソーシャルコマースには「ソーシャル」を導入した通信販売のことを指します。
従来1人で買い物する「効率的で冷たい」通販サイトにあなたの友達を参加させて、「温度感」のあるショッピング体験をできるようになります。
拼多多(Pinduoduo)が作ったのは「割引支援」機能です。
上記の相関図通り、安い値段を狙う人はグループを新規作成して情報を友達にシェアします。
そこで、シェアされた友達は「一緒に購入するか」、「割引を支援するか」を選べます。
買う気はないが、その友達が手軽にボチッと押す程度でお金を出さずに割引支援をした場合、グループの参加人数としてカウントされてグループが形成になったら、グループ主催者と参加者が割引権利をもらうとともに、支援者にも拼多多(Pinduoduo)を利用するチャンスがあれば、お得になるとマーケティングアプローチもかけられています。
拼多多(Pinduoduo)は人のコネクションを活用して、「一緒に買い物をしよう」ということを強調・強要せず友達同士の「ちょっとしたお願い」といった日常的なコミュニケーションに基づいた施策で、グループ購入の参加者の不足、そして拼多多(Pinduoduo)ユーザー数の成長課題をうまくクリアしました。
温度感のあるソーシャルコマース
「ショッピングはすべて目的に基づいているわけではありません。多くの場合、友達と会い楽しめる時間がほしいだけです。ショッピングはソーシャルコミュニティ、娯楽、そして人生の一部です。」と 拼多多(Pinduoduo)のCEOである黄さんは述べています。
このような買い物行動を「温かみのある買い物」と呼び、拼多多(Pinduoduo)の運営理念はそこから生まれました。
ソーシャルコマースモデルにより、より多くのユーザーが買い物の楽しさを楽しむことができ、オフラインのつながりをオンラインに移行され、より多くのユーザーが「暖かい買い物」を体験できるようになっています。
拼多多(Pinduoduo)の出現により、業界全体が「効率的で冷たい」通販モデル以外の別の可能性を見いだすことができました。
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