ECサイトで売上を最大化するためには、商品詳細ページやトップページのデザインだけでは不十分です。買い物かご以降、すなわち「購入フロー」における顧客体験を最適化することが重要です。この購入フローの最適化が売上向上や離脱率削減につながるケースが多く見られます。
今回は、買い物かご以降のカスタマイズで実現できる具体例を3つ挙げながら、ECプラットフォームの中でも特に注目されるShopifyとMagentoの違いについて解説します。
1. パーソナライズされたクロスセル提案
2. 複雑な支払い方法の実装
3. 多言語・多通貨対応のチェックアウト画面
4. ShopifyとMagentoの違い
1. パーソナライズされたクロスセル提案
購入手続き中に、関連商品やおすすめ商品を表示することで顧客単価を向上させるカスタマイズです。たとえば、以下のような例が挙げられます:
「この商品を買った人はこれも買っています」の表示
在庫状況や季節に応じた限定商品を提案
購入額に応じた送料無料ラインへの誘導(「あと○○円で送料無料」)
Shopifyの場合:
Shopifyでは主にアプリやPlusプランを利用する必要があります。しかし、Plusプランでもカスタマイズの自由度は限定的です。例えば、特定の条件に基づいた商品の動的表示は専用アプリや外部ツールが必須となります。
Magentoの場合:
条件に応じたカスタムルールを管理画面で簡単に設定できます。また細かいカスタマイズも可能で、顧客ごとにパーソナライズされた提案を実装できます。
2. 複雑な支払い方法の実装
越境ECサイトでは、国ごとに異なる支払い方法への対応が必要です。例えば:
日本ではクレジットカードや銀行振込、コンビニ払い
中国ではWeChat PayやAlipay
Shopifyの場合:
Shopifyペイメント(クレジット決済)やPayPal、KOMOJU等には標準で対応(各サービスとの契約は別途必要)、別途アプリをインストールすることでも追加が可能。

Magentoの場合:
PayPal、銀行振込、請求書払いには標準で対応し、エクステンションを追加することであらゆる決済に対応が可能。

3. 多言語・多通貨対応のチェックアウト画面
越境ECサイトでは多言語対応や現地通貨対応が必要不可欠です。これをチェックアウト画面でも実現することで、海外ユーザーの購入体験を向上させることができます。
購入者のIPアドレスやブラウザの言語設定に応じた自動切替
通貨換算機能をリアルタイムで反映
言語ごとに異なるプロモーションバナーの表示
Shopifyの場合:
Shopifyは標準機能で多言語・多通貨に対応していますが、言語や通貨ごとに詳細なカスタマイズを行う場合は、Plusプランの利用が必要です。また、サードパーティのアプリに依存するケースが多いです。
Magentoの場合:
Magentoでは、言語・通貨ごとのカスタマイズが標準機能として柔軟に設定可能です。例えばテンプレートごとに異なる言語バージョンを設定し、購入フロー全体を完全にローカライズすることが可能です。
4. ShopifyとMagentoの違い
Shopifyは使いやすさが魅力ですが、買い物かご以降の細かいカスタマイズを行うにはPlusプランへのアップグレードが必要です。それでも、対応できる範囲は限られており、特に複雑なニーズに応えるには外部アプリへの依存が避けられません。
一方、Magentoはオープンソースの強みを活かし、高度なカスタマイズを実現できます。これにより、企業ごとの多様な要件に対応した購入フローを実現しやすいという点が大きな優位性となっています。
まとめ
買い物かご以降のカスタマイズは、ECサイトの売上を左右する重要な要素です。パーソナライズ、支払い方法、多言語対応といった機能を実現するには、プラットフォーム選びがカギとなります。
Shopifyは手軽さを求める中小規模向け、Magentoは高度なカスタマイズを求める大規模向けといった棲み分けが明確です。自社のニーズに最適なプラットフォームを選ぶことが、成功への第一歩となるでしょう。
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