騰訊(以下テンセント)は2020年7月27日に正式に中国検索エンジン市場でNo.2の捜狗(以下Sogou)の買収を発表しました。
これまでもSogouの最大の株主だったテンセントはSogouの協力の元、弱点であった検索エンジンを補完し自社サービスの強化をしてきました。
正式にSogouを100%買収することで、テンセント社のグループ会社としてSogouを活用した同社はライバルである百度(以下Baidu)社と戦いの行方、中国検索エンジンの王座を脅かしていけるかを見ていきましょう。
Sogou検索
中国最大のポータルメディアである搜狐(Sohu)は2004年にSogou検索エンジンをリリースしました。
2006年にSogou検索の次に、Sogou中国語入力ソフトウェアの成功によりSohuからスピンオフしてSogou検索およびSogou入力ソフトウェアをメインに運営してきました。
2013年、テンセントは4億4,800万ドルおよびテンセントが自社開発した検索エンジン搜搜(SOSO)事業にSogouに出資。
現在、テンセントはSogouに39.2%の株式と52.3%の議決権を所有しており、SohuはSogouに33.8%の株式と44.1%の議決権を所有しています。
2019年中国検索エンジンマーケットシェア一覧:
上記グラフから見ると、Baiduは依然として王座を譲らず67.09%を占めて市場をリードしています。
その次は大きく離されて18.75%のSogouが追いかけています。
Sogouの検索トラフィックの36%はテンセントのサービスからのものです。
Sogou検索のMAUは2016年3月の4億3,800万から2018年12月には6億9,500万に増加し、58.7%増加しました。
SogouのモバイルMAUは2016年3月の2億6,300万から増加しました。
2018年12月には112.2%増加し、5億5,800万人に成長を成し遂げました。
テンセントとSogouの相乗効果
2013年以降、テンセントはテンセント搜搜(SOSO)および関連資産をSogouにパッケージ化し、その検索ビジネスは基本的にSogouに担い、搜狐(Sohu)、テンセント、Sogouは、捜狐の支配とSogouの相対的な独立を確保するために議決権協定に署名していました。
テンセントはSogouの株式を最も多く保有していましたがSogouを支配せずに事業展開をさせてきました。
2014年6月、Sogouは検索ビジネスをWeChat公式アカウントデータに統合しました。
ユーザーはSogouの検索結果ページで、WeChat公式アカウントとクエリに関連するすべての記事を閲覧できます。
それ以来Sogou検索は、QQ、Qzone、WeChat、テンセント、QQブラウザーおよびモバイルQQブラウザーなどを含むすべてのテンセント製品ラインに組み込まれています。
2017年5月、WeChat検索機能がリリースされました。 WeChatを介してモーメンツ、公式アカウント、ミニプログラム、記事などに直接リーチできます。
その中で最も注目されたのは動画コンテンツの視聴やJDモールの製品情報、知乎(Zhihu) というQ&Aサイトなどから検索結果が返されることでした。
Sogouと連携したWechat検索はほぼ全てのを検索できる検索エンジンになりつつあります。
2013年から2020年の今になっても、中国の検索業界では常に連続一位となったのはBaiduです。
テンセントとの相乗効果を得られず、単独ではBaiduとは戦えないということをSogou自身も十分に理解しているであろうと思われます。
WeChatのユーザー数は世界中で12億人を超えており、中国最多のアクセス流入を備えたアプリになっています。
これに基づいて、検索業界へ進出したWeChatはその拡大は間違いなくBaiduに一定の影響を与えています。
まとめ
中国でアプリの台頭に伴い、検索エンジンによるアクセス流入が唯一であった局面を打破しつつあります。
インターネットユーザーは検索エンジンを通じて情報を取得するだけではなくなり、一つ一つの島のようなアプリから情報を獲得するようになってきています。
Wechatはまさに各諸島の中の巨大島、いわば大陸のような存在です。
中国ユーザーの情報を探す習慣が変わりつつある環境の中で、検索エンジンマーケティングにおいてBaidu SEOだけでなく、今後検索が強化されたWeChat上にてSEOの最適化とコンテンツマーケティングが企業やサイトの運営者の主要戦場となっていくでしょう。
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