中国ではユーザー数10億人とも言われるショート動画SNSですが、なぜこれほどにまで中国でショート動画が爆発的流行を遂げたのか、解説していきたいと思います。
中国におけるショート動画SNS利用の現状
「中国インターネット発展状況統計報告書」によると、2022年12月時点で、中国のショート動画ユーザーは10.67億人となり、中国インターネットユーザーのうち94.8%もの人がショート動画サービスを利用しています。
引用:第51回「中国インターネット発展状況統計報告書」,中国互联网络信息中心(CNNIC),2023,P1-2
中国ショート動画SNSプラットフォーム
特に有名な中国ショート動画SNSとしては、やはり中国版TikTokであるDouyin(抖音/ドウイン)が有名です。中国ショート動画の王者とも言われるDouyin(抖音/ドウイン)は、約7.4億人の月間アクティブユーザーを抱え、中国の主要ECサイトである「Tmall・タオバオ・JD」などのサイトの商品を直接リンクづけたり、ライブ配信で商品を販売したりすることができ、Eコマースとの連携が強いのも特徴です。
また、その他の人気の中国ショート動画SNSプラットフォームとしては、Kuaishou(快手)、小紅書(レッド/シャオフォンシュウ)、WeChat(微信/ウィーチャット)の動画チャンネル(視頻号)などがありますが、各プラットフォームの特徴に関しては過去記事で紹介しているのでご覧ください。
ショート動画が中国で爆発的に流行した4つの理由
では、なぜ中国でDouyin(抖音/ドウイン)や小紅書(レッド/シャオフォンシュウ)などのショート動画が流行っているのでしょうか。その理由を4つのポイントに分けて解説していきたいと思います。
① 分かりやすい情報伝達
ショート動画は、文字や画像よりも短時間で多くの情報を伝えることができます。スピーディーに情報を消化できるショート動画は、忙しい現代人にとっては理想的なコンテンツと言えます。また、情報を視覚的に理解することに慣れている若者だけでなく、文字を見たりタイピングしたりするのが苦手な年齢層にも理解されやすいため、幅広い年齢層に浸透しやすいです。
② AIレコメンドアルゴリズムによる中毒性
Douyin(抖音/ドウイン)や小紅書(レッド/シャオフォンシュウ)などのショート動画プラットフォームは、高度なAIレコメンドアルゴリズムを駆使しています。ユーザーが視聴した動画の履歴や行動パターンを分析し、その人の好みに合わせたコンテンツを自動的に提案します。これにより、ユーザーは次々と新しい動画に引き込まれ、プラットフォームに長時間滞在する傾向があります。
③ スマートフォンの使用の浸透
中国ではWechatpayやAlipayなどのスマートフォン決済も広く普及しており、人々はスマートフォンを単なる通信手段ではなく、生活の一部として活用しています。スマートフォンの単なる所持ではなく「使用」が浸透しているため、スマートフォンを使用してショート動画を見るという習慣が浸透しやすい環境にあります。
④ eコマースとの繋がり
Douyin(抖音/ドウイン)や小紅書(レッド/シャオフォンシュウ)など中国のショート動画SNSは、ec機能が強化されており、オンラインモールやライブコマースと密接に結びついています。ユーザーは動画内で紹介された商品を、そのままプラットフォーム内で購入できるため、シームレスなショッピング体験が可能です。このような利便性は、ユーザーのプラットフォームへのロイヤルティを高める要因となっています。
まとめ
以上、中国でショート動画が爆発的に流行している理由を解説させていただきました。シンプルで分かりやすい情報伝達、AIによるパーソナライズされたコンテンツ提供、スマートフォン利用の浸透、そして動画SNSとeコマースとの統合が、中国ショート動画SNSの普及を爆発的に拡大させてきました。今後も、これらの要因が相互に補完し合い、ショート動画という形態が中国のオンラインコンテンツの主要な形態として存在し続けることかと思われます。
ショート動画を活用した中国SNSマーケティングを行うには、各プラットフォームの特徴を理解し、ユーザーに合った中国語でのマーケティング施策を行うことが必須です。しかし、中国では、中国独自のSNSサービスが使われており、中国SNSマーケティングの経験がない方がいきなり参入するのはかなり難しいのが現状です。
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