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Magentoと3Dセキュア2.0の義務化:EC事業者が知るべき対応ポイント

Magentoと3Dセキュア2.0の義務化

近年、オンライン決済のセキュリティ強化が求められる中、3Dセキュア2.0(3DS2)の導入が進められています。2024年に入り、クレジットカード会社や決済代行会社はEC事業者に対して3DS2対応を求める動きを強めており、Magentoを利用するEC事業者も適切な対応が求められています。本記事では、3DS2義務化の背景と、それに伴うMagento ECサイトへの影響、対応のポイントについて解説します。

3Dセキュア2.0(3DS2)とは?

3Dセキュア2.0は、クレジットカード決済時の本人認証を強化する仕組みです。従来の3Dセキュア1.0では、決済時にカード所有者が固定のパスワードを入力する方式でしたが、3DS2ではより柔軟でユーザーフレンドリーな認証方法が導入されています。

3DS2の主な特徴

  • リスクベース認証(RBA):低リスク取引では自動承認が可能。
  • 多様な認証方法:ワンタイムパスワード(OTP)や生体認証の利用が可能。
  • 取引情報の詳細な分析:加盟店から提供される取引データをもとに、リスク判定を強化。

この変更により、ユーザーの負担を最小限に抑えながら、不正利用のリスクを低減できます。

3DS2義務化の背景とスケジュール

国際ブランド(Visa、Mastercard、JCBなど)は、2024年よりEC決済のセキュリティ基準を厳格化し、3DS2対応を推奨・義務化しています。特に以下の点が重要になります。

  • 2024年以降、特定の取引では3DS2が必須
  • 3Dセキュア1.0のサポート終了(Visa・Mastercardは2022年に終了)
  • 未対応の加盟店はチャージバックリスクが増加

この流れを受け、Magentoを活用するEC事業者も早急な対応が求められています。

Magento ECサイトへの影響

1. 決済フローの変更

  • 3DS2導入に伴い、Magentoの決済モジュールの改修が必要。
  • 3DS2対応済みの決済ゲートウェイとの連携が必須。

2. コンバージョン率への影響

  • ユーザーが認証を求められる場面が増え、離脱率が増加する可能性。
  • ただし、リスクベース認証を活用すれば、ほとんどの取引で追加認証を回避可能。

3. チャージバックリスクの低減

  • 3DS2を適用した取引では、クレジットカード会社の負担となり、Magento運営者側の負担軽減につながる。

4. 決済システムの改修コスト

  • 既存のMagento決済モジュールを3DS2対応にするための開発・運用コストが発生。
  • 決済代行会社との連携が必須。

ヘッドレスCMSと3DS2対応

最近のECサイトでは、ヘッドレスCMSを活用した柔軟なフロントエンド構築が進んでいます。Magentoもヘッドレスアーキテクチャに対応しており、3DS2導入時に次のようなメリットがあります。

ヘッドレスCMS
  • カスタマイズ性の向上:フロントエンドとバックエンドを分離し、認証フローをスムーズに統合可能。
  • パフォーマンスの最適化:3DS2認証の影響を最小限に抑え、高速なユーザー体験を提供。
  • オムニチャネル対応:Web、モバイルアプリ、PWA(プログレッシブWebアプリ)など、さまざまなデバイスで一貫した決済体験を提供。

Magentoのヘッドレス構成を採用することで、3DS2導入時のUX改善やカスタマイズ性の向上が期待できます。

Magento EC事業者が取るべき対応

1. 決済ゲートウェイの3DS2対応状況を確認

  • Magentoで利用している決済ゲートウェイが3DS2に対応しているかチェック。
  • 非対応の場合、対応可能な決済サービスへの移行を検討。

2. シームレスなUXを維持する設計を検討

  • 3DS2導入によるユーザーの離脱を防ぐため、最適なUI/UXを設計。
  • リスクベース認証を活用し、可能な限り認証ステップを省略。

3. Magentoのモバイル決済対応の強化

  • 3DS2ではモバイルアプリの生体認証が活用可能。
  • スマートフォン利用者向けに、よりスムーズな認証フローを構築。

4. 顧客への周知

  • 3DS2導入後、Magentoサイトの決済フローが変更されることをユーザーに事前に通知。
  • 認証手順をわかりやすく説明し、混乱を防ぐ。

まとめ

3Dセキュア2.0の義務化は、Magentoを活用するEC事業者にとって重要な課題です。セキュリティ強化による不正利用の抑止と、適切な導入によるスムーズなユーザー体験の両立が求められます。

また、ヘッドレスCMSを活用することで、3DS2対応時の柔軟性やパフォーマンスを最適化できます。Magentoの決済システムを3DS2対応させることで、安全でスムーズなオンライン決済環境を実現しましょう。

 

弊社ではMagentoを利用した多機能ECサイトの構築・越境EC/中国越境ECの開発をして企業様をサポートしています。 ご興味ある方は是非問い合わせください。

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マスク・ド・マジェント
Magentoの自社案件をほぼ担当している中の人。主に要件などを担当するが、設定回りも行うことも。砂糖と小麦粉があれば生きていける。

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